可愛い飼い猫にはいつも元気で、病気で苦しむことなく、いつまでも長く生きて欲しいと思うものです。猫が元気に過ごすためには、やはり身体を作り、身体を動かす元となる食事が重要になります。
この点、飼い猫は自ら獲物を捕らえて自分の体調を自己管理するわけにはいきません。すべてが飼い主さんにかかっていると言ってもいいほど、責任が重大です。
飼い主さんがどんなキャットフードを選び、どのように組み合わせたりして、どのくらいの量をどのタイミングで与えていくのかで、猫の体調や成長が左右されることもあります。愛する猫の健康を守り、長生きさせるためにも適切な知識を得て、安心のキャットフードを選んでいくことが大切です。
栄養バランス良く安心のキャットフードを
猫の食事の基本は人間と同様、猫にとって必要な栄養素を過不足なく摂ることと、活動量や成長に合わせて必要なエネルギーを摂取できるようにすること、そして水分不足にならないようにしてあげることです。この点、気を付けたいのは人間の栄養理論などを当てはめないことです。
人間と猫では身体の特徴が異なるので、必要な栄養素のバランスや必要量も異なっています。人間の身体づくりやエネルギー摂取に必要な栄養素が不要な場合や人間の身体には良好に作用する食材が猫にとっては有害であることもあるので気を付けなくてはなりません。
猫の栄養学を学んで、どんな栄養をどのくらい摂ればいいのか、どんなものはあまり食べさせないほうがいいのか、また、食べさせてはいけないのかを知りましょう。そのうえでキャットフード選びや組み合わせを考え、猫の年齢や体重などをもとに必要な量を与えてあげるようにします。
猫に必要な栄養とは？
では、猫にどのような栄養が必要で、どのような栄養はあまり必要ないのかを見ていきます。
良質なタンパク質を
猫に重要な栄養素の代表がタンパク質です。血液や筋肉、骨や被毛、臓器にいたるまで身体づくりや身体の成長、維持に欠かせません。また、猫はもともと肉食なので、タンパク質をエネルギー源としても使っています。そのため、人間と比べても5倍から6倍ものタンパク質が必要となるのです。
猫が好きな魚をはじめ、鶏肉などの肉類でしっかり補ってあげなくてはなりません。ドライフードにせよ、ウェットフードにせよ、良質なタンパク質が摂取できるよう、
安心で上質な素材を使ったキャットフードを選びたいものです。たとえば、人間も食べたいと思うような国産の鶏肉、ホルモン剤不使用の鶏肉や産地限定のカツオやまぐろなど、安心の素材を使ったものを選びましょう。
エネルギー源にもなる脂肪と取らなくてもいい炭水化物
脂肪はタンパク質とともに猫のエネルギー源になります。また、健やかな皮膚や美しい被毛を保つことためにも必要な栄養素です。食事から摂らなければならないリノール酸やリノレン酸、アラキドン酸などの必須脂肪酸があるので、リノール酸などが含まれるキャットフードを選びましょう。
一方、人間にとってはタンパク質、脂肪と並んで三大栄養素になる炭水化物は猫にとっては不要です。人間は炭水化物をエネルギー源に使いますが、肉食の猫はタンパク質と脂肪がエネルギー源だからです。
そのため、世界で獣医師が推奨もしているキャットフードの中にはグレインフリーなど、穀物を一切入れないキャットフードもあります。猫の身体は炭水化物を分解するように作られていないので、私たちにとっては身体に良さそうな穀物であっても、猫にとっては負担になることがあります。
身体をサポートするビタミンやミネラル
ビタミンは成長をサポートし、健康な皮膚や被毛の維持、病気に対する免疫力や抵抗力を高めるために使われます。もっとも、健康な猫なら肝臓内でビタミンCを合成できるので、果物を食べさせたりする必要はないのです。一方、ビタミンAやB1、B2、B6、DなどビタミンC以外は合成できないので、食事を通じて摂る必要があります。
また、ミネラルについては骨や歯の形成に不可欠なカルシウムやリンをなどが必要ですが、ミネラルは過剰摂取はいけません。たとえば、マグネシウムを過剰摂取すると下部尿路疾患になりやすくなるので、キャットフードを何種類か組み合わせて与える際には特定の栄養素を過剰に摂らないように注意が必要です。
キャットフードの中でもドライフードや一部のウェットフードは総合栄養食として、猫の身体を緻密に分析して、タンパク質、脂肪、ミネラルやビタミンをバランス良く含んでいるので、猫が食べやすく好むものを探しましょう。
猫も人間と同様に栄養のバランスと必要なエネルギーを摂ることが、健康に過ごしていくためには不可欠です。
もっとも、人間とは必要な栄養素が異なるので、猫に必要な栄養をしっかりバランス良く含み、上質な素材から作られたキャットフードを選ぶようにしましょう。
